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第295回定例講習会

日時:令和元年6月2日(日) AM10:30~PM2:30

会場:名古屋市立大学 医学研究科・医学部研究棟11階 講義室A

内容

澤田 誠 先生
澤田 誠 先生

1) 質量分析イメージングで脳機能を見る (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

名古屋大学環境医学研究所          

生体適応・防御研究部門脳機能分野教授  澤田 誠 先生

脳の機能の変化を見るにはどうしたらいいのか。1990年代、脳の機能、活動をfMRIで見ることで脳科学の分野は発展したが、最近では質量分析装置が開発され、イメージデータから、特定の現象で細胞レベル/分子レベルで脳機能を見ることができるようになったことを教えて頂きました。1つの細胞機能の解明により、色々な細胞も同時に調べることができ、さらにその細胞の機能や分布までも解明できることを教えて頂きました。この細胞レベルでの機能解明により、薬剤の効果がターゲットになっている細胞に効いているか調べることができることも教えて頂きました。

最後に、鍼治療の効果も質量分析をすることにより何が関与しているか解明できる可能性を示唆していただきました。ご講義終了後、活発な質疑応答がされました。

岩瀬 敏 先生
岩瀬 敏 先生

2)基礎生理学 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

愛知医科大学医学部生理学講座教授 岩瀬 敏 先生

自律神経との関係において、情動の形成とその表出(心の中にあるものが外にあらわれでること)機構として、重要である視床下部について解剖学的部位を分かりやすいスライドを用いて教えて頂きました。視床下部は睡眠にも関与しているオレキシンというホルモンが作られ、そのニューロンがどの部位に影響を及ぼし、どのような物質を放出するかを教えて頂きました。睡眠と覚醒に関与する物質は動物実験等で証明されているが、臨床では薬剤の効果がある人とない人があり、人間に適応するかは疑問であることも教えて頂きました。

 後半は視床下部と食欲について、睡眠が短いと満腹ホルモンのレプチンが少なくなり、肥満になりやすいことなど、摂食中枢機構を分かりやすいスライドを使って説明をして頂きました。