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第286回定例講習会

日時:平成29年7月2日(日) 午前9時30分~午後4時

会場:名古屋市立大学看護学部棟3階 308講義室

内容

岩瀬 敏 先生
岩瀬 敏 先生

1)循環生理学 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

愛知医科大学医学部生理学講座教授   岩瀬 敏 先生

循環生理を考えるにあたり、まず血圧の意義や役割について詳細な説明がなされました。血圧の定義は血管壁にかかる圧力ですが、その血圧を決定する因子には、時間に依存したシステムがあり、また血圧決定要因には前負荷、心収縮力、後負荷に分類できることを教えていただきました。この決定要因を知ることから、降圧薬の作用を理解できることを示されました。また、動脈、静脈、毛細血管の生理的機能を説明され、病態に関わる基礎も教えて頂きました。

安東カヨコ・バールドワジ 先生
安東カヨコ・バールドワジ 先生

2) 睡眠の基礎と臨床 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

名古屋市立大学睡眠医療センター・臨床検査技師  

安東カヨコ・バールドワジ 先生

睡眠医療センターで行われている検査の意義や方法について詳細な説明がなされました。睡眠無呼吸症候群では、簡易検査とPSG検査があり、その内容である脳波、心拍、体動、酸素濃度などから呼吸機能を評価できることを教えて頂きました。また、診断後の治療についてCPAP治療を中心に説明いただきました。その後、症例をあげて睡眠時無呼吸症候群患者の実際の検査データから読み取れることについて示していただきました。

山田  篤 先生
山田  篤 先生

3) 生活習慣病の基礎・臨床、診断と治療

(公社)生体制御学会研究部生活習慣病斑班長           

(公社)生体制御学会理事   山田  篤 先生

「糖尿病について2」と題して、糖尿病は自覚症状だけでは病態を充分に反映していないことから、検査の意義を詳細に説明されました。糖尿病の検査値の中でも、ヘモグロビンA1cは糖尿病の状態を捉えるには有効であることが知られており、糖尿病学会では目標値は7%に設定していて、糖尿病で発生する症状がその根拠になっていることを教えて頂きました。今後の臨床に役立つ基礎となりました。

加賀敏朗 先生
加賀敏朗 先生

4)婦人科疾患に対する症例報告及び症例検討

経絡治療学会東海支部支部長  加賀 敏朗 先生

「経絡治療と不妊症」と題して、まず経絡治療の診断の基礎を教えて頂きました。今回の患者さんが肝虚証であることから肝虚証の病理を説明していただいた後、不妊症の症例について報告していただき、その後、活発な討論がありました。

木津正義 先生
木津正義 先生

5)鍼灸学校学生向け企画

婦人科疾患の基礎と臨床

明生鍼灸院副院長  木津 正義 先生

「各論 婦人科の基礎」と題して、妊娠に至るまでの条件を学生にもわかりやすく講義して頂きました。今後、鍼灸が関わることができるであろう妊娠に関する内容について、その基礎を教えて頂きました。