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令和7年度第2回(322回)Web講習会

日時:令和7年7月6日(日) AM8:30~PM12:10

会場:Zoomによるオンライン会場

内容

橋本 高史 先生
橋本 高史 先生

1)AM8:30~10:00

 月経困難症に対する鍼治療の検討

 東洋医学研究所®所長 橋本高史 先生

 月経困難症は、月経時に伴って現れる病的な症状であり、下腹部や腰の痛みのほか、精神的に不安定になるなどの不快な状態が含まれます。主に、子宮の過剰な収縮によって生じる「機能性月経困難症」と、子宮内膜症などの疾患に起因する「器質性月経困難症」に分類されます。

 このような症状を予防・緩和するには、質の高い睡眠を確保すること、冷えにくい体づくりのための軽い運動(例:散歩)、そして栄養バランスの取れた食事といった日常のセルフケアが重要です。加えて、鍼治療を取り入れることで、毎月の月経による苦痛を軽減し、生活の質(QOL)の向上につなげることが期待されます。

 本説明では、鍼治療に関する動画や過去の症例報告などの資料も交えながら、月経困難症への有効性について詳しく紹介しました。

 

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岩瀬 敏 先生
岩瀬 敏 先生

1)AM10:00~11:00

 自律神経学〜生活習慣病との機序〜

 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

  愛知医科大学客員教授(神経内科) 岩瀬 敏 先生

 

 1996年以降、「生活習慣病」という概念が広く用いられるようになり、高血圧はその代表的な疾患の一つとされています。生活習慣病には、高血圧のほか、脂質異常症、肥満、心臓疾患、脳卒中などが含まれます。

これらの病気の主な原因は、運動不足、過食や塩分の摂りすぎ、喫煙、過度の飲酒、そしてストレスといった生活習慣によるものです。

血圧は主に血管の硬さによって左右されます。血圧に影響を及ぼす要因は、大きく次の三点に分けられます。

1.循環血液量:体内を流れる血液の総量。

2.心拍出量:心臓が拍動によって送り出す血液の量。

3.後負荷(末梢血管抵抗):血管の硬さや抵抗の程度。

これらの要素が互いに関係しながら、最終的に血圧の値を決定しています。と御講義いただきました。

 

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澤田 誠 先生
澤田 誠 先生

2)AM11:10~12:10

 「感情」とはなんだろう〜脳と感情を考える〜

 第1回 感情の本質:AI は感情を持てるか?

 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座

  名古屋大学名誉教授 澤田 誠 先生

 

 情動とは、自分の生存にとって有利か不利かを見極めるための脳の基本的な働きです。これは生命を維持する上で不可欠な機能であり、情動が生じることによって、感情や気分などの認知的な活動が引き起こされます。

 嬉しさ・楽しさ・満足といった「快」の情動は、個体の保存や種の継続に有利な状況において現れます。一方で、怒り・恐怖・悲しみ・不安といった「不快」の情動は、生命維持にとって不都合な状況を示すサインとして現れます。

 感情を生み出す脳は記憶の保持にも関与していますが、その根幹には「生命の維持」を最優先するという働きがあります。とご講義いただきました。

 

 

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