· 

睡眠育成士認定講座(第二期)

第0回睡眠育成士認定(名古屋市立大学睡眠医療センター認定)講座(第二期)

日時:令和元年6月2日(日) 午後2時45分~午後3時30分

会場:名古屋市立大学 医学研究科・医学部研究棟11階 講義室A

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)名古屋市立大学睡眠医療センター認定 睡眠育成士研修講座(睡眠育成士認定証書授与式)

 

名古屋市立大学睡眠医療センター センター長   中山明峰 先生

平成30年度の名古屋市立大学睡眠医療センター認定、睡眠育成士の認定試験に合格した54名(第1期生)の睡眠育成士認定証書授与式が行われました。認定証書授与式の後、名古屋市立大学睡眠医療センター長の中山明峰先生より、今後の睡眠育成士の睡眠教育指導の心構えや活動内容のポイントをご講義して頂きました。


第1回睡眠育成士認定講座(第二期)

日時:令和元年7月7日(日) 午後3時~午後4時30分

会場:名古屋市立大学病棟・中央診療棟3F 大ホール

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)睡眠の基礎と臨床

「睡眠医療とは」

 

名古屋市立大学睡眠医療センター センター長   中山明峰 先生

中山明峰先生より「睡眠時無呼吸症候群、不眠症の2つは睡眠にとって大きな問題である。子供たちをどう教育したらいいか?と、この思いを強くもって睡眠育成士として正しい睡眠の知識を持ち、皆さんに啓蒙して頂きたい。この講義を受けられる皆さんは、皆さんの中で睡眠に対する思い入れがあると思います。

名古屋市には14万人の小中学生がいて、先日、睡眠育成士第1期生の方が小学校へ行き、講

義して頂いた様子がテレビで放送されました。最後に「この講座は一般市民にも公開していま

す。学校などの教育施設より睡眠育成士による睡眠の授業の要請があった場合には、積極的に応じていく事を目的としております。睡眠育成士の先生方には正しい指導、アドバイスができるようにしっかりと勉強していただき、睡眠育成士として、正しい情報を大いに世間に伝えてほしいと思っています。さらにこれを起爆剤として社会現象としてなれればと思っています。」と睡眠育成士認定講座受講生に向けてお話がありました。

2)睡眠の基礎と臨床

「睡眠検査とは」

 

名古屋市立大学睡眠医療センター・臨床検査技師  

安東カヨコ バールドワジ 先生

「睡眠障害の患者さんの主訴は、主にいびきや昼間の異常な眠気、寝ている時に呼吸が止まるなどの『睡眠時無呼吸症候群』や、なかなか寝付けず夜中に何度も目が覚めて、その都度トイレに行く、また早朝に目が覚める、朝起きれず寝れた感覚がないなどの『不眠症』が大きな問題になっていること、睡眠医療センターなど医療機関でPSG(睡眠ポリグラフ検査-睡眠の深さを呼吸や身体の働きなど)検査などで睡眠障害の疾患名が診断できることを教えて頂きました。

主な睡眠疾患として睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群や、急に眠気に襲われるナルコレプシー、突発性過眠症などがあること、特に多くみられる疾患である睡眠時無呼吸症候群の診断には高血圧や糖尿病などの合併症があることが多く、睡眠障害がある患者さんには睡眠検査の必要性を伝えることが大切であることを教えて頂きました。


第2回睡眠育成士認定講座(第二期)

日時:令和元年8月25日(日) 午前10時~午後12時

会場:名古屋市立大学医学部総合情報センター川澄分館さくら講堂(図書館3階)

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)パネルディスカッション

「睡眠と各分野の関連性」

 

第37回公益社団法人生体制御学会学術集会にて、パネルディスカッション「テーマ:各分野から睡眠を考える」と題して、名古屋市立大学睡眠医療センター長中山明峰先生の司会により医師、歯科医師、鍼灸師、理学療法士、漢方医の立場など幅広い分野からの専門職の先生方から、睡眠を考える討論会が行われました。

 鍼灸師の立場から(公社)生体制御学会研究部長の皆川宗徳先生より、基礎研究では鍼治療後、副交感神経活動が優位になり、臨床報告ではOSA睡眠調査表MA版により、1回の鍼治療で翌日の自覚的な睡眠の質が向上する報告がありました。さらに、歯科医師からは矯正歯科治療と睡眠の関係、理学療法士からは身体レベルを考慮した運動が睡眠に好影響を及ぼすなどの報告もありました。

 今後は、各専門職が睡眠に対して、チーム医療を行う必要性を中山明峰先生が提唱されました。


第3回睡眠育成士認定講座(第二期)

日時:令和元年10月6日(日) 午後2時45分~午後3時30分

会場:名古屋市立大学 医学研究科・医学部研究棟11階 講義室A

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)睡眠の基礎と臨床

「睡眠時無呼吸症候群とは」

名古屋市立大学睡眠医療センター 副センター長   佐藤慎太郎 先生

睡眠時無呼吸(睡眠時無呼吸症候群)の発生メカニズムをわかりやすいスライドで説明をして頂き、成人の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の定義や脳波、眼球運動および頤筋筋電図を基本とし、 呼吸、心電図、動脈血酸素飽和度、いびき、筋筋電図、体位、体動などの生体現象を同時記録することができ、それにより睡眠中の睡眠深度、その経過や睡眠中の呼吸および循環の生理現象を総合的に評価し、睡眠呼吸障害の有無を総合的に判断する睡眠時無呼吸検査(PSG)について詳細に説明をして頂きました。

さらに閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の症候として覚醒時は日常の眠気、記憶力・集中力の低下など睡眠中は呼吸停止などを繰り返すこと、治療についてはCPAP(鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかける方法)について教えて頂きました。


第4回睡眠育成士認定講座(第二期)

日時:令和2年2月2日(日) 午後3時00分~午後4時30分

会場:名古屋市立大学 病棟・中央診療棟3F 大ホール

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)睡眠の基礎と臨床

「睡眠衛生指導について」

名古屋市立大学睡眠医療センター 臨床検査技師   

安東カヨコ バールドワジ 先生

睡眠衛生指導について、「眠りのための12箇条」を健康づくりのための、よりよい眠りのヒントになれるように説明を受け、さらに表を用いて睡眠衛生指導のために必要な指導内容を指導項目別に詳細に教えて頂きました。

 睡眠衛生指導の重要点として、若年層、中高年層、高齢層の3つの年齢層に分けて、それぞれの生活を聴取したうえで行う。最近では、小中高校生の睡眠不足が深刻になっていること。この中で「潜在性睡眠不足」が睡眠時間1時間借金すると返済するのに約4日分の正常の睡眠時間が必要にあることが報告されていることを教えて頂きました。

 患者の睡眠状態を知るうえで、患者に睡眠日誌をつけさせることにより、寝た時間を記録させ、不眠障害、過眠症、概日リズム睡眠障害などの診療に有益であり、実際の睡眠日誌を用いた症例報告をして頂きました。講義後は活発な質疑応答がありました。


第5回睡眠育成士認定講座(第二期)

日時:令和2年3月1日(日) 午後3時~午後4時30分

会場:名古屋市立大学病棟・中央診療棟3F 大ホール

    名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1

内容 

1)睡眠の基礎と臨床

「未来に向けての睡眠医療」

 

名古屋市立大学睡眠医療センター センター長   中山明峰 先生

現在の睡眠における重要事項として、睡眠薬の問題(ベンゾジアゼピン系薬物、依存症と有害性が強い)、睡眠時無呼吸症候群の問題があげられることを教えて頂きました。

未来に向けての睡眠医療とは、みんなが自分の睡眠を正す、周囲に接する方の睡眠を正す、未来の子供たちの睡眠を正すことを目標にする。

それには、子供たちの睡眠の実態を把握することが必要であり調査して、それをもとに睡眠教育を進めていかなくてはならない。そのたたき台として、名古屋市小学生睡眠生活調査で得られたデータ解析を、東邦大学(社会疫学研究室)の坂本先生より報告がありました。

そのあと、第2期睡眠育成士認定講座の認定試験を実施しました。