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第258回定例講習会

日時:平成24年3月4日  午前9時30分~午後3時

場所:名古屋市立大学医学部教育棟2F 第1講義室

内容

1)臨床鍼灸医学研究  サイエンスとしての鍼灸医学6(認定指定研修C講座) 

(社)生体制御学会理事・名誉会長 黒野保三先生

黒野保三先生が「医道の日本」2012年1月号に投稿されました「鍼灸医科学の行方」の骨子を説明され、鍼灸界の現状を説明頂きました。

②サイエンスとしての鍼灸医学のまとめを系統立てて説明され、サイエンスとして鍼灸医学が成り立つための過程を丁寧に説明していただきました。

③実際にサイエンスとなりえる黒野保三先生の研究を紹介され、正しい情報に基づいた正しい場所での勉強の必要性を説かれ、学会の方向性を示唆されました。

(内容紹介)

 黒野保三先生が「医道の日本」2012年1月号に投稿されました「鍼灸医学の行方」から、鍼灸界の現状を説明いただきました。

「平成14年の小泉内閣はWHOから、日本の鍼灸が遅れていることから日本の鍼灸の質をあげることを要請されました。現況をみたところ鍼灸界ではどうにもならないと判断し、医学部で東洋医学教育をすることを法制化し、WHOへの返答としました。しかし、その結果、10年経過した今でもその成果はみられていません。このように、政府では実際のことを知らない人の間で話し合い、鍼灸師のためにやるわけではないので、あてになりません。それに対抗するには各々がレベルアップするしかなく、そのことをすべて理解して卒後教育を行っているのが本学会であります。」と教えていただきました。

次に「サイエンスとしての鍼灸医学」のまとめとして系統立てて教えていただきました。

「現状の鍼灸界はサイエンスとしての鍼灸が行われていないため、世界に通用しません。例をあげると鍼灸医学は三千年の歴史を有する伝統鍼灸医学であり、経穴、経絡を用いて未病治を行うといいます。言葉ではこのように書けますが実体は説明できません。では、サイエンスとしての鍼灸を行うためにはどうしたらよいのでしょうか?次のプロセスを知る必要があるでしょう。①総説がかけるような系統的な研究をし、②研究したものから学問をつくり、③医療家である我々はそれを医学として用い、④その中の東洋医学を用いて治療をおこなうわけです。我々は治療の現場での経験・現象・古典という価値をもっていますが、残念ながらサイエンスになっていないと言わなければなりませんが、この学会は鍼灸に関わるものを実証医学的に検証していくこと目的としております。

私個人の研究ですが、合谷という経穴の研究は、その経穴の深さをみつけ、その部位を効率よく刺激する方法をさぐり、それによっておこる生理反応や免疫反応を証明し、鍼が刺さってから修復するまでの過程を系統的に研究してきました。これこそ鍼灸の研究として系統立てられた研究の代表例です。そして、このような過程を知っていて治療するのと知らないで治療するのでは、臨床の質が変わるのは当然であります。この学会はその主旨を達成するために着実に一歩一歩前進しており、多くの方からの支持をしていただけるようになりました。」と説明いただき、今後学会が目指す方向を示唆していただきました。 

2)ヒト迷走神経に及ぼす物理刺激の影響 

(公社)生体制御学会研究部情報・評価班班長  皆川宗徳 先生

スライドを使用し、黒野保三先生の研究結果を丁寧に説明され、鍼刺激が生体にあたえる影響に迷走神経が関与している最新の研究や情報を交えて詳細な説明がなされた。

3)生体防御免疫疾患の基礎・臨床、診断と治療                    

(社)生体制御学会研究部生体防御免疫疾患班班長井島晴彦先生

「生体防御免疫疾患班の研究報告」と題し、2年間の講義のまとめにつて詳細な説明がなされた。

4)生体防御免疫疾患に対する症例報告・検討

愛知漢方鍼医会代表 高橋清吾 先生

症例検討が行われ、活発な質疑応答があった。