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不妊症患者の身体症状と妊娠との関連性の検討(その2)-自然妊娠、一般不妊治療の妊娠例での検討-(大阪大会)

渡邊 由香

 

【目的】

我々はこれまで本学会にて健康チェック表を不妊症患者に用いてその有用性を報告してきた。今回自然妊娠、一般不妊治療で妊娠を望む患者に対して初診時の健康チェック表の各項目と妊娠に至る期間との関連性について検討した。

【方法】

2007年1月~2009年10月に当院に初診来院した不妊症患者673例のうち自然妊娠、タイミング法、人工授精を行い、鍼灸治療を1ヶ月以上継続した248例(年齢33.9±3.8歳、不妊歴39.5±29.5ヶ月、病院治療歴19.4±22.0ヶ月)を対象とした。初診時での(社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班が作成した健康チェック表における合計点数および症状を示す各項目(合計50項目)について、治療後の妊娠の有無と妊娠までに要した期間との関連性について検討した。

【結果】

妊娠群60例(33.3±3.9歳)と非妊娠群188例(34.0±3.7歳)の健康チェック表の合計点数は18.3±9.9点、16.9±11.0点で有意差は認められなかった。妊娠に至るまでの期間は4.5ヶ月(135.5±95.7日)であったが健康チェック表との間に有意な相関は認められなかった。単変量解析の結果、「月経不順」(F値:4.0)が最も有意な項目であった。また多変量解析の結果、「月経不順」(F値:7.4)、「寝汗をかく」(F値:6.6)、「寝つきが悪く、眠ってもすぐ目をさましやすい」(F値:5.1)、「動悸がして気になる」(F値:2.0)の4項目が妊娠に至るまでの期間を予測する因子であった。

【考察と結語】

健康チェック表における不定愁訴の合計点数において両群間に有意差は認められなかったため、ART以外の方法で妊娠を望む不妊症患者の評価として用いるのは困難であった。今回の検討結果より、50項目すべてを用いた健康チェック表ではなく、不妊症患者向きの症状チェックが必要であると考えられた。

 

キーワード:不妊症、健康チェック表、妊娠期間、鍼灸治療