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第246回定例講習会

日時:平成22年3月7日  午前10時30分~午後4時

場所:名古屋市立大学医学部教育棟2F 第1講義室

内容

1)不定愁訴とは何か

たけうち心療内科院長 竹内 聡 先生

「⑤治療上の工夫」と題しスライドを使用し不定愁訴を治療する上での注意事項について詳細な説明があった。

2)臨床鍼灸医学研究

(社)生体調整機構制御学会代表理事   黒野保三 先生

「再生医学についてⅨ」

最近の医療界の6現状について資料をもとに詳細な説明がなされた。

日本の鍼灸師の現状と将来についてスライドを使用し詳細な説明があった。

厚労省が「統合医療プロジェクトチーム」を立ち上げ、鍼灸のエビデンスの確立(経験則を裏付けるEBM)に向けて活動している現状を説明され、今後鍼灸の高度化にむけての提言をされた。

(内容紹介)

 前回の2月7日の定例講習会の時に紹介頂いた、2月6日に放映されたNHKのニュースである「統合医療の科学的検証、厚生労働省が鍼灸を含む統合医療を調査検討へ」の中で、2月26日までに結論を出すとの報告があり、このことについて2月25日に報告された事項を収集して頂き、最新の医療情報を含めてお話を頂きました。

 「看護士に新資格という記事が朝日新聞の2月18日に掲載されました。幅広く医療行為ができるようにするために高度な教育を受けた者が取得できるように検討中とのことですが、私は医療の中で医師に次いで鍼灸医師は各科にまたがって連携を取り合い、医療の先端で活躍できる職種であると思います。そこで、現在、参院予算委員会で統合医療に10億円の予算がついたり、NHKの朝の全国版のニュースで統合医療の科学的検証が放映されたりといったことから、今がこれを実現できる時期であると確信しています。

 次に2月25日の報告で、厚労省研究班班長の黒岩祐治先生、研究員の渡辺賢治先生が漢方・鍼灸医学のデータを収集しエビデンスの確立などを厚労相に提言をされました。その内容は、オーダーメイド医療の構築、国民への普及、組織の整備などの必要性が盛り込まれています。私達鍼灸医師は、医療機器を使用することなく、五感の四診法を用いて個々の体質・体調をみて治療をする、まさしくこれがオーダーメイド医療であり、最も得意とする分野であり専門家です。そして、これらを一般民衆に認知されるように普及させなければいけません。また、組織の整備とは、組織のひとつが愛知県の中ではまさしく私達(社)生体調整機構制御学会であり、経験則の科学的エビデンスの構築のためのデータ収集、良い人材の育成をすでに当会が行っています。したがいまして、統合医療プロジェクトチームができた場合、当会の37年の歴史の資料がありますので知ってもらい、当会の代表者がプロジュクトチームの組織の一員となるよう推し進めていきたいと思っています。」と提言事項に対し、わかりやすくご説明頂きました。

 医療の中で医師の次が鍼灸医師となるようにするには、今回の提言から、「愛知県認可である愛知県唯一の学術団体である当会のような確かな人格を有するところで高度な勉強をして鍼灸医師として力をつけ、良い仲間を増やして鍼灸界全体がレベルアップをすることで鍼灸医療が一般民衆に認識されることにより、それに伴い、法律を変えることができて成し遂げられるものであります」と述べられ、これから鍼灸界を支えていく若い人達への方向性と道筋を与えて下さいました。

3)不定愁訴に対する基礎・臨床、診断と治療

(社)生体調整機構制御学会研究部不定愁訴班班長 石神龍代 先生

「ストレスと脳腸相関について」と題し、配布された資料に基づいて詳細な説明がなされた。

4)不定愁訴に対する症例報告及び症例検討

愛知漢方はり医会代表 高橋清吾 先生

「不眠について」と題して不眠と臓器(肝)の関連性について詳しく説明がなされた。