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血圧の自己測定(健康維持のため)

平成21年8月号

生体制御学会ホームページ委員長

河 瀬 美 之

 

 平成19年8月まで「研究班紹介」と題して研究班の班長の先生より研究班の紹介を頂いておりましたが、9月より、メディアの医療情報の中で研究班に関係する記事がありましたら各班長にコメントを頂き、日頃の臨床に役立てて頂く目的で「生体制御学会NEWS」を発信させて頂きます。

 今回は『血圧の自己測定(健康維持のため)』と題して、生体制御学会研究部循環器疾患班班長の服部輝男先生に以下のように解説して頂きました。

 

 

血圧の自己測定(健康維持のため)

 

生体制御学会研究部 循環器疾患班班長

服部 輝男

 

 血圧は時々刻々と変化しています。その変化する血圧を安静座位で測定して自分自身の血圧値としてきました。しかし、冒頭で述べたように血圧は常に変化しています。夜眠っている時、朝起きて活動し始めた時、活動中(仕事中)、家での休息時など血圧は常に変動しています。

 血圧の変動が激しく起きると脳血管疾患や心血管疾患発症の確率が高くなるものと思います。よく調べてみますと、午前7時頃と午後5時頃の2回循環器疾患発症のピークがあるという報告があります。

 そこで、自分自身で血圧測定を行って、血圧の日内変動を知っておくことが肝要です。では、いつ測ればよいのでしょう。

 私は、自分自身の健康保持のために下記のように血圧測定することをお勧めします。

(1) 朝、目覚めてすぐ布団の中で測定します。これによって就寝中の血圧値の予測がつきます。

(2) 朝、数分活動し血圧を測定します。この時は副交感神経優位から交感神経優位に変化した時の血圧値を知ることができます。

(3) 昼間の自由時間に血圧の測定をします。昼間の活動時の血圧を知ることができます。

(4) 家での休息時に血圧の測定をします。リラックスしている時の血圧を知ることができます。

(5) 春夏秋冬1年を通じて測定し季節による変動も知っておくことが重要です。冬季には循環器疾患発症の多いことが知られています。

 以上が大まかな自分自身による血圧測定で、日内で最高の血圧値を示すのは何時頃なのか、最低の血圧値を示すのは何時頃なのか、また年内ではどの季節が最大値を示すのか、また最低値を示すか、その血圧の差はどの位なのかを熟知し、循環器疾患発症を予防することが大切です。

 

参考文献

 http://www.akita-epid.net/p1/6_2.html

 http://www.cpt.med.tohoku.ac.jp/Ohasama.html