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一般社団法人生体制御学会設立趣意書

東洋医学は約3000年前に中国で発祥し、約1600年前に鍼治療が、約1400年前に湯液療法が我が国に伝来してすでに約1500年の歴史を有し、その間の民衆に対する医療としての貢献は多大のものでありました。

昭和47年(1972年)10月1日堀田健名古屋市立大学医学部第一生理学教授を地方会長として日本鍼灸学会愛知地方会が設立されました。

昭和50年(1975年)高木健太郎名古屋市立大学長を会長にお迎えして、東西両医学の協調を目的として日本鍼灸学会を日本鍼灸医学会と発展的に改称し、昭和55年(1980年)文部省認可の社団法人全日本鍼灸学会となり、社団法人全日本鍼灸学会愛知地方会になりました。

社団法人全日本鍼灸学会愛知地方会は、設立の翌年(1973年)4月28・29日、名古屋大学豊田講堂に於いて第20回日本鍼灸学会学術総会を開催し、戦後初めての中国医師団6名を招聘し、特別講演・シンポジウムを行い、学術交流を行いました。その後、5月18日まで関西・東海・関東地方に於いて、鍼麻酔の特別講演・シンポジウム・座談会を開催したことにより、我が国に鍼灸治療のブームが巻き起こりました。

また、社団法人全日本鍼灸学会愛知地方会は、社団法人全日本鍼灸学会設立記念式典・記念学術大会(1981年:名古屋市公会堂)を始め、4回の学術大会、10回の学術集会、240回の定例講習会を開催し、会員の資質の向上と学術の発展に寄与して参りました。

この度社団法人全日本鍼灸学会の組織再編により(社)全日本鍼灸学会東海支部と(社)全日本鍼灸学会愛知地方会が廃止となりましたことにより、過去東海支部及び愛知地方会が行って参りました学術集会・研修会・講習会による学術の進歩発展と会員の資質向上によって社会に貢献すると云う事業が不可能になって参りました。

上記の状況をふまえて、一般社団法人生体制御学会を設立し、過去の事業を継承しながら、新しい医学・医療を構築して行きたいと考えております。

医学・医療は社会福祉事業の一つとして考えた場合、東洋医学・西洋医学の枠を取り除き、患者を中心とした集学的医療の実現を目指す目的で「生体制御学会」と致しました。

したがって、基礎医学者・臨床医学者が共通の価値観に立って、人の健康増進・第一次予防・第二次予防・第三次予防等、病める人々のためになる研究を進めていくことが、当学会の主旨であり、責任であると感ずるものであります。

尚、社団法人全日本鍼灸学会とは、鍼灸界発展のために愛知地方会同様に学会支援機構の一分科会として緊密な連携を保っていく所存であります。

是非、関係各位と会員諸氏の御理解と御協力を賜りますことを伏してお願い申し上げます。

 

平成20年12月8日       

設立代表理事  黒 野 保 三