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循環器疾患の指標

平成20年6月号

生体制御学会ホームページ委員長

河 瀬 美 之

 

 平成19年8月まで「研究班紹介」と題して研究班の班長の先生より研究班の紹介を頂いておりましたが、9月より、メディアの医療情報の中で研究班に関係する記事がありましたら各班長にコメントを頂き、日頃の臨床に役立てて頂く目的で「生体制御学会NEWS」を発信させて頂きます。

 今回は『循環器疾患の指標』について、生体制御学会研究部循環器疾患班班長の服部輝男先生に以下のように解説して頂きました。

 

循環器疾患の指標

 

生体制御学会研究部 循環器疾患班班長

服部 輝男

 

  一般社団法人 生体制御学会研究部循環器疾患班では、高血圧管理の最新医学情報をもとに勉強会を行い、循環器疾患に対する鍼灸治療に役立つよう研鑽しております。

 まず、正確な血圧測定を行うための訓練を実施し、鍼治療において循環器疾患による危険回避について勉強しています。水銀血圧計と自動血圧計の測定条件と測定方法についての細かい注意点が記載されている社団法人日本循環器管理研究協議会の「血圧測定」を是非参考にして下さい。

 また欧州高血圧ガイドライン(2007)で高血圧管理の新しい指標として用いられるようになり注目されている中心血圧、Augmentation Index(AI)やPulse Wave Velocity(PWV)といった指標について勉強しており順次ご紹介していく予定です。詳細につきましては第43回日本エム・イー学会大会講演記録集を参考にして下さい。また、「愛知地方会NEWS 平成19年10月号 中心血圧について」についても参考にして下さい。

 鍼灸の研究においては十分な指標となるものがないため、少しでも実証医学的に循環器疾患に対する鍼治療の有効性を検討する目的で、循環器疾患班では現在、愛知地方会研究部情報評価班と合同でパラマテックの両側同時測定血圧計を使用して臨床研究を進めております。