· 

第231回定例講習会

日時:平成19年10月7日 午前9時30分~午後4時

場所:名古屋市立大学医学部基礎教育棟第一講義室

内容

1)臨床鍼灸医学研究

「医療関連の資料紹介」

「脳科学と鍼灸医学について」

(社)全日本鍼灸学会参与

愛知地方会名誉会長 黒野 保三

(内容紹介)

 9月2日に開催された(社)全日本鍼灸学会第25回東海支部学術集会と9月30日に開催された(財)東洋医学研究財団設立30周年記念講演会・祝賀会が、愛知地方会開催の定例講習会に出席している会員の先生方が実行委員となって協力されたことによって盛会裡に終了できたことに関し、お礼を述べられました。

 その中で特に東洋医学研究財団の祝賀会で祝辞の挨拶をされたひとりの元名古屋市立大学大波多廣文事務局長について以下のように述べられました。

 「昭和50年に日本鍼灸学会を東西両医学の協調を目指す目的により日本鍼灸医学会に発展的改称して事務局を大阪から名古屋に移転させた時、名古屋市立大学に事務局を設置しようと思っていました。そこへ、当時名古屋市立大学の事務局長であった大波多さんが事務局を置けるように一緒に働きかけましょうと言われ、名古屋市議会にこのことを提案して大演説をされ、光熱費などの予算も出て賛成で決議されました。このことから、名市大を使用できるようになり、現在でも愛知地方会の定例講習会や鍼灸関連の学会が開催できるようになったのも、このような経緯があったからです。

 このように先人の人達が行動して頂いたお蔭で現在の鍼灸の発展があるという感謝と謙虚な気持ちを持ち続けないと人間性は培われないと思います。」と言われました。

 

 次に7月から現在までの医療情報について、以下の新聞に掲載された記事について説明されました。

○7月 8日:腹部大動脈瘤の治療にステントグラフト、開腹

      せず患者の負担減らす(朝日新聞)

○7月12日:肺がん発見しやすい遺伝子(朝日新聞)

○7月29日:子供もメタボ?内臓脂肪がたまっていろんな病

      気(朝日新聞)

○8月26日:がんの患部狙い撃ち(朝日新聞)

○9月 2日:超音波、骨折に効果(朝日新聞)

○9月 2日:糖尿病は万病招く、がんで死亡は3.1倍

      (朝日新聞)

○9月 3日:念ずれば通ず?脳情報で機械制御、研究進む

      (朝日新聞)

○9月21日:東洋医学研究財団設立30周年記念講演会

      (中日新聞)

○9月22日:酒かす成分、メタボ防ぐ(中日新聞)

○9月23日:脂肪肝、飲まない人も注意(中日新聞)

 

 次に脳の伝達システムについてスライドを使用して講演がありました。

 「鍼灸は未科学の治療法でありますが、未科学であっても先端の治療であり、脳科学が解明されれば鍼灸の治療メカニズムが解明されると信じています。」と述べられました。

 また、「9月30日の東洋医学研究財団での講演会で、私は鍼灸治療はワクチン的要素になるかもしれないと述べましたが、10月3日に免疫を活性化させたところ、がんのマウスが60%ほど改善した結果から、免疫を活性化するワクチンを開発する研究が報道されました。これは外からワクチンを投与するのに対し、私は鍼を行って人間の内部にワクチン的要素を作り出そうとしています。」と述べられました。

 そして、「鍼を行うと身体の中にその刺激が48~72時間ほど続くことを私は基礎実験の結果から提唱していますが、これもひとつの記憶なのです。その記憶が脳のどこで行っているかが問題になるし、シナプスの伝達もひとつの記憶であるのです。」と、脳科学と鍼灸治療との関連を述べられました。

 

2)糖尿病に対する臨床病理学(認定指定地方会研修講座)

「メタボリックシンドロームと糖尿病(総論) -肥満と糖尿病-」

小林記念病院糖尿病センター長

小林記念病院内科医長 藤井 徹

 

3)糖尿病に対する基礎・臨床、診断と治療

「糖尿病神経障害について -神経障害を発症した症例を中心に-」

愛知地方会会長

愛知地方会研究部生活習慣病班班長 中村 弘典

 

4)ホームページ作成について

「交通・アクセス」

愛知地方会経理部副部長 山田 篤

 

5)症例検討会

「糖尿病に対する鍼治療の一症例」

愛知地方会教育部副部長 絹田  章