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臨床鍼灸研究の基本を忘れるな

平成19年7月1日

研究部長 皆川宗徳

              

 第56回(社)全日本鍼灸学会学術大会は6月8日(金)~10日(日)に亘り「輝く鍼灸―これからの挑戦―」をテーマに倉敷市芸文館(第一会場)、倉敷市民会館(第二会場)で開催されました。岡山での開催は2回目であり、第42回(社)全日本鍼灸学会学術大会(1992年)「保健衛生と鍼灸医学」以来、15年ぶりの開催でありました。   

 私も第42回学術大会では、(社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班(班長:黒野保三先生)のワークショップで、班員として参加させて頂き、「健康チェック表の作成の経緯」を発表させて頂いたことが懐かしく思い出されます。現在、黒野保三先生作成の健康チェック表をスクリーニングの目的で全ての初診の患者さんに使用させて頂いておりますが、今一度、文献「黒野保三:不定愁訴症候群に対する鍼治療の検討;東洋医学とペインクリニック25(1)(2),1995 」を熟読し、研究の価値を再認識しなければならないと思います。

 今回、岡山で開催されました第56回(社)全日本鍼灸学会学術大会では愛知地方会から、17題もの一般口演・ポスター発表がありました。愛知地方会研究部には8班の研究班(頭鍼療法班、疼痛疾患班、循環器疾患班、不定愁訴班、生活習慣病班、情報・評価班、婦人科疾患班、生体防御免疫疾患班)がありますが、8研究班1題以上の発表が行われています。

 今後、黒野保三先生からご指導頂いているように、学会発表は、発表のための発表ではなく、自分の研究分野の文献を幅広く読み、年々積み上がる研究にしていかなければならないと痛感しております。

 各班の研究活動がより向上するためにも、愛知地方会の会員が一人でも多く各研究班に参加し、黒野保三先生から今までにご指導頂いた研究の方法論を認識し、会員一人一人が臨床鍼灸研究を行えるようにしなければならないと思います。

 また、学会発表に止まらず、質の高い臨床鍼灸研究の原著論文が投稿できるようにしてゆきたいと思います。