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灸治療で皮疹が軽快した1例(岡山大会)

1)第一クリニック 2)すこやか鍼灸院

校條由紀1、2)

 

【目的】軽快しにくかった皮疹に対して灸治療を行い、症状の軽快と内服薬、外用薬の軽減につながった症例を報告する。

【方法(症例)】19歳女性。<現病歴>生後3か月にアトピー性皮膚炎と診断される。治療目的で2004年3月に第一クリニックを受診。<初診時所見>顔面、前胸部、四肢の皮膚に掻痒を伴う乾燥、浸潤性紅斑、丘疹、掻破痕を認めた。また両手に痒疹タイプの皮疹を認めた。<治療の経過>手掌、手背に対して内服療法は抗ヒスタミン薬10mg、外用薬療法は副腎皮質ホルモン剤や非ステロイド系抗炎症剤、貼布剤として副腎皮質ホルモン剤のテープを患部に貼布するも夜間のそう痒に対する掻破行為が継続し、痒疹タイプの皮疹に症状の軽快を認めなかった。そこで2005年8月より灸治療の併用を手掌、手背の皮疹部に開始した。施灸部位は皮疹部に1壮ずつ。刺激の程度は半米粒大の知熱灸(間接用もぐさ(カナケン 横浜))を週1回、自宅灸(つぼ灸NEO( 山正 滋賀))を1週間に2回とした。「結果」2005年9月より皮疹に軽快を認め、内服薬の量は5mgに半減し、外用薬療法は非ステロイド系抗炎症剤のみとなった。2006年9月内服終了。手掌の皮疹、掻傷が軽快し灸治療も終了した。その後、悪化は認められず同外用剤のみで経過観察中。「考察および結語」灸の温熱刺激による局所の血流増加が皮疹の軽快に影響したと考えた。薬剤療法と併用して有用な治療であることが示唆された。

 

キーワード:鍼灸、手掌、掻痒、皮疹、アトピー性皮膚炎