· 

中リョウ穴刺鍼が不妊症患者の子宮循環に及ぼす影響(岡山大会)

東洋医学研究所®グループ 明生鍼灸院 

鈴木裕明、村中友香、青木美鈴、片岡泰弘、高橋順子、木津正義

竹内病院トヨタ不妊センター

俵史子

明治鍼灸大学 臨床鍼灸医学II教室

本城久司、北小路博司

 

【目的】

我々はこれまで不妊症患者に対して鍼治療を行い、妊娠率の改善について検討してきた。しかし鍼治療の効果機序について詳細は不明である。今回、鍼治療が不妊症患者の子宮循環におよぼす影響について検討した。

【方法】

対象は、竹内病院トヨタ不妊センターを受診し、胚移植を2回以上行うも妊娠にいたらなかった不妊症患者のうち本研究に同意の得られた9名で、年齢26~40歳(平均32.8歳)、不妊歴2~7年(平均4.2年)であった。血管抵抗の測定方法は、LOGIQ400(横河メディカル)を用い、月経周期の3~7日目に経膣的にカラードップラー法にて左右子宮動脈、子宮放射状動脈のPulsatility index(PI)、Resistance index(RI)をそれぞれ測定した。鍼治療方法は直径0.3mm、長さ60mmの鍼を第3後仙骨孔部(中リョウ穴)に約50~60mm刺入し徒手的刺激を合計10分間行った。鍼治療は週に1回間隔で施行し、鍼治療開始後2周期目の月経周期3~7日目にPI、RI値を再検した。

【結果】

鍼治療後、子宮動脈PI値は2.42から2.05に、RI値は0.87から0.80へと、ともに有意(p<0.05)な減少を示した。子宮放射状動脈のPI値は1.97から1.64へ、RI値は0.81から0.77と減少する傾向を示したが、有意差はみられなかった。

鍼治療後に凍結融解胚盤胞移植を施行した症例は7症例あり、そのうち妊娠(胎嚢確認)に至ったものが3例、化学的妊娠に至ったものの、胎嚢確認できなかったものが3例であった。

【考察と結語】

今回の結果より中リョウ穴刺鍼が、子宮動脈の血流改善に関与したことが明らかとなった。我々は難治性不妊症に中リョウ穴刺鍼が有効であることを示しており、子宮の血流が妊孕性に関連しているとの報告もあることから、中リョウ穴刺鍼が妊娠率向上に寄与する可能性が示唆された。

 

キーワード:中リョウ穴刺鍼、子宮動脈、子宮放射状動脈、pulsatility index、resistance index