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インターネットと鍼灸

平成18年10月1日

研究副部長 鈴木裕明

              

 この10年の間にパソコンの需要は爆発的に増加しています。一家に一台から一人に1台といっても過言ではありません。このような急増の背景にはインターネットの環境が整備されたことが考えられます。インターネットを通じて様々な分野の情報を世界的に集めることが可能になりました。病気について不安があれば、病名で検索するだけで膨大な情報を得ることができます。病気の原因や検査、治療、予後はもちろんのこと、同じ病気で悩む患者同士の架け橋としてネットは不可欠なものとなっています。

 東洋医学の分野でも様々なホームページが存在し、例えばYahooにて「鍼灸」というキーワードで検索しただけでも約260万件のホームページを見つけることができます。

 ここで大きな問題となるのは、膨大すぎる情報量とサイトの内容です。ネット上は宣伝や広告の法規制が事実上ないために無法地帯となっています。集客目的のみで作られたホームページは治療効果の客観性や再現性など、はじめから考えていません。科学的根拠に基づいた効果を示さなければ鍼灸そのものの質を落とす結果となるでしょう。

 すでに現在までのコラムで愛知地方会のホームページの素晴らしさは紹介されており、特筆すべきことは鍼灸を医療として位置づけられるように科学的根拠に基づいたデータが集積されていることだと思います。

 平成18年度の愛知地方会定例講習会では「ホームページ作成について」が初歩から行われており、10月からいよいよ本格的に始動となります。会員の皆様も是非この機会に質の良いホームページを作成し、鍼灸の地位向上に貢献できるよう一緒に頑張りましょう。私もIT関係は不得意ですが、これを機に勉強していきたいと思います。