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変形性膝関節症に対する鍼治療の検討(2)(金沢大会)

愛知地方会研究部疼痛疾患班

河瀬美之、石神龍代、中村弘典、皆川宗徳、内藤真次、黒野保三

 

【目的】

  我々は変形性膝関節症に対する鍼治療の症例集積を多施設で行い、第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会においてvisual analogue scale(VAS)を中心に検討を行い報告した。今回はさらに症例を追加し、OA膝治療成績判定基準(JOAスコア)を中心に検討したところ、興味ある結果が得られたので報告する。

【方法】

  平成15年8月から平成17年10月までの間に4施設に来院した主訴が膝痛で変形性膝関節症と診断された患者24例35膝(男:女=2:22、平均年齢65.1歳)に対して太極療法と局所の鎮痛・血行改善を目的とした鍼治療を行った。膝痛の評価はJOAスコアとvisual analogue scale(VAS)を使用し、統計処理はMann-Whitney U検定により評価した。

【結果】

  JOAスコアの初診時と最終時(平均治療回数23.3回)の合計平均点数と各項目の平均点数と有意差はそれぞれ、合計:67.7±16.1点・76.7±14.5点(p<0.05)、歩行能:15.4±7.1点・20.9±5.8点(p<0.01)、階段昇降能:14.4±6.5点・15.8±5.3点(N.S.)、屈曲角度:28.6±7.0点・30.3±6.4点(N.S.)、腫脹:9.3±1.8点・9.7±1.2点(N.S.)となった。VASは初診時治療前後、初診時と最終時で有意差(p<0.05)を認めた。

【考察】

  鍼治療により、痛みの改善と歩行能が有意に改善されたが、階段昇降能と屈曲角度、腫脹については有意な改善が認められなかった。このことは、治療回数が少ないものと考えられ、さらに継続治療を行うことにより、階段昇降能と屈曲角度、腫脹が改善されるものと思われる。

【結語】

  変形性膝関節症に対して鍼治療を行った結果、VASとJOAスコアの歩行能が改善されたが、階段昇降能と屈曲角度、腫脹は改善されなかった。

 

キーワード:変形性膝関節症、鍼治療、太極療法、OA膝治療成績判定基準、VAS