東洋医学研究所®
山下喜代、黒野保三
【目的】
現在東洋医学研究所®グループでは一般市民を対象に、「健康長寿と東洋医学」に関する講演会を行い鍼灸診療の普及に努めている。講演会は、東洋医学研究所®における研究結果等を元に、一般市民にわかりやすい内容とした。講演会においてアンケート調査を行い、一般市民の鍼灸への関心や鍼灸診療に対するイメージなどを分析した結果、興味ある結果が得られたので報告する。
【方法】
2005年5月8日から11月28日の間に5回講演会を開催した。講演会に参加した一般市民420名のうちアンケートにご協力頂いた299名(回収率72%)を対象とし、年齢、性別、受療経験の有無、鍼灸のイメージ、講演会の感想等の調査を行った。
【結果】
299名のうち男性116名、女性163名であり、年齢は60歳以上が最も多く、全体の75%を占めていた。また、受療経験「あり」は47%(131名)、「なし」は49%(159名)であり、「あり」では鍼灸に対するイメージは「効果がありそう」「気持ちよさそう」が上位にあり、「なし」では「どんな病気の時に治療してもらえばいいかわからない」「効果がありそう」「どこの治療院にかかったらいいかわからない」が上位であった。また、今後受療したいかの問いには「今はわからない」が46%と最も多く、「受けたい」は40%という結果になった。
【考察・結語】
今回対象とした一般市民においては、受療経験「あり」ではプラスのイメージが強かったが、「なし」では「効果がありそう」が上位にあることから、鍼灸には期待感はあるものの、「どんな病気の時に治療してもらえばいいかわからない」「どこの治療院にかかったらいいかわからない」等と、鍼灸に対して不明瞭な点が多いイメージである事がわかった。よって、今後も一般市民を対象に講演会を行ない、鍼灸診療の普及に努めていくが必要であると考えられる。
【キーワード】鍼治療、講演会、アンケート、一般市民