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生涯教育としての学会

平成18年6月1日

経理部副部長・ホームページ委員 山田 篤

              

 第55回(社)全日本鍼灸学会学術大会(金沢大会)が平成18年6月16日(金)~18日(日)の会期で開催されます。愛知地方会からは23題報告される予定であり、今年も会員の皆様が活発に活動しています。

 さて、私は愛知地方会名誉会長であり師匠である黒野保三先生のご指導の下、神戸大会からほぼ毎年発表させて頂いております。その間、発表中にスライドが止まるというアクシデントや、質問が全くなかったり、考察や言葉尻で厳しく攻められ困惑したこともありましたが、逆に質問者からの好意的な意見を頂いたり激励されたことが、懲りずに発表し続ける力になったものと感じています。

 毎年学会に参加して思うのですが、学会とは学術だけではなく、人としての総合的な力、どんな時でも通用する力を培う良い機会を得られる場でもあると思うのです。

 私を例にしますと、学会発表に対しては、まず自分で発表するテーマを決め、発表するテーマに基づいて研究します。次に抄録集(論文集)のために原稿をまとめ、抄録を送り、研究に基づいて発表するプレゼンテーションを作成する、という基本的な手続きを習うことができます。そして、発表の場では私の研究に関連がある方たちと議論し意見交換をします。

 一方、発表がないときには、私にとって有益な発表を探して会場を移動することになります。複数の会場でさまざまな研究について同時に議論されているので、必要な会場と時間を探す情報処理能力が発達します。また、問題となる意識を持ち、常に課題を探すことが大事であり、他の発表を聞き、私の研究と比較して疑問があれば質問します。

 以上のように、学会に参加すると、基本的な手続きを学べ、常に課題を持つ意識ができ、新たな人間関係を築けることから、人としての総合的な力を培えると思うのです。但し、学会に参加しても受け身では半減します。

 大事なのは、自分で決める「自己決定」、共感的な理解の元に事を進める「理解と融和」、人に認められる事をする「自己存在感」を培う気持ちを持って学会に参加することだと思います。

 また、金沢学会開催時期はちょうど梅雨の季節です。雨でしっとりとした美しい町がやさしく迎えてくれると期待しています。

 生涯教育としての学会、是非参加してみませんか?