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健康チェック表と研究班について

平成17年12月1日

広報部長  山田 耕

              

 近年、複雑多岐にわたるストレス社会の中で、様々な疾患に罹患し、不定愁訴を訴える患者が増え、鍼灸院を訪れるケースが増えてきています。

 そこで、現在、愛知地方会名誉会長の黒野保三先生が不定愁訴を訴える患者に対する鍼灸治療の有効性を定量的に見出す目的で、①鍼灸院を訪れる不定愁訴症候群患者が増加していること②鍼灸師が独自に研究ができること③鍼灸師が誰でも研究活動に参加できること④治療に関して近代医学の盲点であり、鍼灸治療が最も得意とする分野であること⑤病理学的兆候の有無にかかわらず不定愁訴を有する患者が多数いることを踏まえて、昭和61年10月26日(社)全日本鍼灸学会研究委員会に不定愁訴班を新設されました。

 そして、不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を定量的に見出すために「健康チェック表」を作成され、それを使用して現在に至るまで、様々な学会発表が行われてきました。また、不定愁訴を訴える患者のみならず、すべての患者に「健康チェック表」に記入してもらうことで、様々な症状を訴える患者の症状の推移も把握できます。

 愛知地方会の研究班は、頭鍼療法、疼痛疾患、循環器疾患、不定愁訴、情報・評価、婦人科疾患、生体防御免疫疾患の8班ありますが、夫々専門の分野における客観的評価法を用いて鍼灸治療の効果を実証医学的に検討しています。

 自分の研究テーマを持って研究班に入り、一つでも多くの症例を集積し、臨床鍼灸研究を進め学会発表をして行くことで、社会的にも鍼灸の有効性をアピールができ、社会的に認知されるものと思います。