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東洋医学研究所®ホームページにおける健康チェック表の検討(第2報)-アンケート送信方法の違いによる傾向-(福岡大会)

東洋医学研究所®

○中村 覚、山田 篤、黒野保三

 

【目的】

過去、東洋医学研究所®では、(社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班黒野保三班長作成の健康チェック表を用いて種々の分析を行ってきた。第53回千葉大会においても、東洋医学研究所HPにおける健康チェック表の分析を行い報告した。問題点を改善し、引き続きアンケート集積を行い、興味ある結果を得られたので報告する。

【対象・方法】

2002年12月18日から2005年5月19日まで約2年5ヶ月の間に東洋医学研究所®ホームページの健康チェック表を行った271名を対象に、アンケートを貼り付けて送信する方法(以下メール群)とボタンによる簡単送信できる方法(以下ボタン群)で、送信方法の違いによる傾向の分析を行った。

それぞれ①性別分類②年齢別分類③重症度別分類④健康チェック表の層別分類⑤健康チェック表の各項目のチェック頻度に分類した。

【結果】

①男女比:メール群1:1.9、ボタン群1:3.7②年齢別分類:20代・30代を合わせるとメール群68.5%でボタン群54.6%であった。③重症度別分類:中等症と重症を合わせるとメール群73.1%でボタン群63.8%になった。④の層別分類と⑤の健康チェック表のチェック頻度については5点以下・51点以上の36名を除外して、235名にて検討した。④層別分類では、両群ともにほぼ均等に4分割されていた。⑤層別の各項目チェック頻度については両群ほぼ同じであった。

【考察】

前回の報告でメール送信の手続きに手間がかかることによる送信断念者がいる可能性を推察したが、今回の結果から、ボタン操作により送信手続きが簡単になり、より多くの人から健康チェック表を受け取ることができたと思われた。①男女比:メール群よりボタン群の女性比が明かに高かったのは、メール送信を断念した人に女性が多く含まれていた可能性が考えられる。

②年齢別分類:利用年齢層から20代・30代が多かったのは妥当である。メール群よりもボタン群の方が10代、40代の割合が増えていることから、より広い年齢層からアンケートを受け取ることが出来たと思われる。

③重症度別分類ではメール群に比してボタン群の軽症の割合が多くなったのはボタン送信によって軽症者の送信断念を防ぐとことができ、より広く愁訴を有する人からアンケートを受け取ることができたと思われる。しかし、依然中等症・重症の割合が両群ともに高く、ホームページ上で健康チェック表を行う人は愁訴が多いことが認められた。

④層別分類ではメール群・ボタン群ともにほぼ均等にチェックされており、四層別に分類したことの妥当性が前回に引き続き認められた。

⑤各項目チェック頻度ではメール群とボタン群チェック頻度に差は認められなかった。このことにより、送信方法に違いがあっても同一のアンケートを使用することができたと思われる。

【結語】

Ⅰ性別分類、年齢別分類、重症度別分類でボタン群がより広い範囲にわたりアンケート集積を行えたことが認められた。

Ⅱ層別分類、各項目のチェック頻度からメール群・ボタン群ともに同一アンケートを使用していることが認められた。

ⅢHP上で健康チェック表を行った場合、重症度が高い傾向なることが認められた。今回、健康チェック表の送信方法の違いによる送信者の傾向を知ることが出来た。

 

キーワード:健康チェック表 インターネット 調査