· 

鍼灸師としての自覚を高く持とう2

平成17年2月1日

ホームページ委員  中山 元

            

 これを読んでくださっている方々は「鍼灸師として」日々何を思い、鍼灸に携わっているのでしょうか?多忙な毎日の中で、時流に身を任せるだけになってしまっていないでしょうか?

 現在、はり師・きゅう師の養成学校は全国に約70校を数え、今後毎年3000人弱ずつ鍼灸師が増えていくことが予想されます(平成14年末時点での鍼灸師数は全国で約53000人)。また、その新卒者の7~8割は病院(などの医療機関)へ就職するようです。最近は混合診療の問題もいよいよ本格化してきており、開業鍼灸師の立場が非常に危ぶまれます。そして未だ鍼灸治療の正しい認識を一般の方々は持っておらず、鍼灸師・あん摩指圧マッサージ師・柔道整復師・整体師などは皆同じ(ようなもの)と捉えられていることも多々あります。このような現状を考えますと、鍼灸師が鍼と灸を用いて、その「真価」を発揮できる場・環境・社会が次第に狭められつつあると感じざるを得ません。

 早い情報を得ること、正しい判断力を持つこと、高い問題意識とそれを解決しようとする強い意志を持つこと、これらのことを一人で身につけることは大変困難ではないでしょうか?身近にそれらを学ぶ機会を持てないのであれば、(社)全日本鍼灸学会愛知地方会の活動に積極的に参加すると良いでしょう。活動の中心である黒野先生をはじめとする諸先生方の姿にふれることが、その第一歩になると思うのです。

 自分が鍼灸師であることの意識を高く持つこと、そうすれば、鍼灸師として今やらなければならないこと、今ならばできることが見えてくると思うのです。何のために?良き伝統に育まれた真の鍼灸師の存在を絶やさないために。鍼灸治療を必要とする、目の前と、これから出会うであろう多くの患者さんのために。