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情報を考える

平成16年11月1日

ホームページ委員  福田 裕康

         

 (社)全日本鍼灸学会愛知地方会のホームページ作りに参加させていただいてから約2年になりますが、最近特に情報というものの扱いが重要になってきている感が否めません。そもそもインターネットの普及にともなって従来からおこなわれていた情報の収集や発信が替わってきています。

 インターネット普及前を考えて見ますと、第一に情報は紙に残すという方法がとられてきました。この方法は情報の保存、情報の発表、情報の提供を同時に行えることから、簡便かつ巧妙な方法として当然衰退することもなく将来にわたってこれが替わるとは、自分では考えたことがありませんでした。

 具体的に情報の保存とは紙に書いた時点で保存されるわけですが、これによって自分の中にあった情報を他人が見ることができるようになったことを表し、ついでにその書いたものを他人に渡すことのできるスタイルとして出来上がっているから提供もできると考えることができます。

 では、これほど完璧に近かった情報の取り扱いが何故インターネットなどで象徴されるようなコンピュータなどのデジタル化へと進んでいったのでしょうか。当然なことですが、それまで以上の利点がなければ急速な普及はなかったはずです。

  最大の利点は何といっても情報の速さ(同時性)と情報の豊富さと情報発信の容易さがあげられると思います。

 そのような観点から愛知地方会のホームページを再度見てみますと、今まで特定の場所へ特定の時間に行かなければ得られないような情報が得られる情報の豊富さがあり、また情報の豊富さの中には情報をデジタル化し同一のコンテンツとしてあつかえるようになったため文字情報のみではなく、画像、音声や映像といったものまでも容易に発信できる環境もあげられ、ホームページとして充実感が増してきております。

 情報の内容としても講習会などがあったときには、すぐに対応がなされています。

 すべていいこと尽くめのようでありますが、ここで注意しなければならないことがあります。

 一般的に言って、送られてきた情報がいい情報なのか悪い情報なのか、また情報として価値があるのかないのかを判断するのはやはり人だということです。ある情報がきたときに解釈する能力は人それぞれのレベルでしかわからず、間違ってとらえる可能性もあるということも自覚するべきところと考えます。

 幸い愛知地方会の定例講習会では、鍼灸の勉強のみならず、鍼灸界、医療界の情勢なども親切な解説つきで、自分ではとらえていないことを気づかさせていただくことがたくさんあります。

 そのようなことを繰り返しているうちに、少しずつですが、情報から次のステップにうつるための情報をよみとれるようになってくると思います。

 繰り返しになりますが、さらなるインターネットの普及が確信される今日では、同じものを見ても千差万別に人はとらえると思いますが、それが正しい方向であるのかという指針が「鍼灸診療と人間形成」(講習会紹介 講師黒野保三名誉会長)によってよみとれます。今一度見てください。