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疼痛疾患班の紹介

疼痛疾患班(腰痛編)

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 疼痛疾患班は平成12年度より、腰痛班を改め再出発することになりました。その背景には愛知地方会名誉会長の黒野保三先生より、「これからの臨床鍼灸医学は信頼できる一定のスケールで経過を観察し、実証医学的に研究してゆかなければいけない。そして、研究班で研究した結果を会員に還元するような研究体制が必要である」とご指導頂きました。そこで、腰痛に限らず、鍼灸院で取り扱う頻度が高い疼痛疾患全般の研究を開始致しました。

 今回は腰痛に対する疼痛疾患班の取り組みについてご紹介致します。

 

 

《鍼灸治療の実証医学的研究基準》

1.鍼灸治療における自他覚所見の推移を定量的に見出すスケールの作成

2.疾病の重症度判定基準の作成

3.鍼灸治療効果の判定基準の作成

4.医学統計学の検定結果により、鍼灸治療効果の有効性を明らかにする

 

黒野保三著「臨床鍼灸医学」エフエー出版より引用

 

 上記の鍼灸治療の実証医学的研究基準に基づいて、以下の4つのスケールを使用して班員による症例集積を行いました。

1. VAS(Visual Analogue Scale)

2. JOAスコア(日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準)

3. FFD(前屈指床間距離)

4. (社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班健康チェック表

 

 また、腰痛の病態を把握する目的で徒手検査表を作成し、そのマニュアルにそって病態を把握してゆきます。徒手検査法は聞いてすぐできるというものではなく、患者に負担なくできるようになるには相当な訓練が必要です。疼痛疾患班では月1回の研究日に班員同士で徒手検査法の実技を行っています。

 

 平成13年度の愛知地方会の定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)では疼痛シリーズとして腰痛に対する基礎・臨床、診断と治療ということで6回にわたり腰痛に対する臨床鍼灸からみた腰痛のアプローチについて講演をさせて頂きました。その時に質問表等を徒手検査法の実技を含めて紹介致しましたが、その質問表等をここに紹介させて頂きます。臨床鍼灸において経過を観察し、効果判定を行い、患者に説明するのに便利だと思いますので、お役立て下さい。詳しい取り扱い説明に関しては疼痛疾患班研究日に行っていますので、是非ご参加下さい。

 

 

徒手検査表(PDFダウンロード

 

 

 疼痛疾患班では上記を使用して、インターネットを利用した班員による多施設での臨床比較試験を実施した結果や症例集積を行った結果を(社)全日本鍼灸学会学術大会並びに(社)全日本鍼灸学会東海支部学術集会に報告致しました。


疼痛疾患班(膝痛編)

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 疼痛疾患班では臨床鍼灸の立場から、疼痛疾患に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に検討する目的で、種々のスケールをはじめ徒手検査法を使用して研究を行っています。

 前回は疼痛疾患班の目的と学会での業績、腰痛に対する取り組みについて述べさせて頂きました。今回は膝痛に対する疼痛疾患班の取り組みについてご紹介致します。

 

 

 膝痛に対しては以下の3つのスケールを使用して班員による症例集積を行っています。特に鍼灸院で取り扱う膝痛で頻度が高いと思われる変形性膝関節症について検討をしています。

 

1. VAS(Visual Analogue Scale)

2. JOAスコア(日本整形外科学会OA膝治療成績判定基準)

3. (社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班健康チェック表

 

 膝痛に対しては詳細な問診、徒手検査法を行うことにより約80%の確率で病態を把握することが可能だと言われています。そこで、膝痛の病態を把握する目的で徒手検査表を作成し、そのマニュアルにそって病態を把握してゆきます。徒手検査法は聞いてすぐできるというものではなく、患者に負担なくできるようになるには相当な訓練が必要です。疼痛疾患班では月1回の研究日に班員同志で徒手検査法の実技を行っています。

 

 平成14年度の愛知地方会の定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)では疼痛シリーズとして膝痛に対する基礎・臨床、診断と治療ということで6回にわたり膝痛に対する臨床鍼灸からみた膝痛のアプローチについて講演をさせて頂きました。その時に質問表等を徒手検査法の実技を含めて紹介致しましたが、その質問表等をここに紹介させて頂きます。臨床鍼灸において経過を観察し、効果判定を行い、患者に説明するのに便利だと思いますので、お役立て下さい。詳しい取り扱い説明に関しては疼痛疾患班研究日に行っていますので、是非ご参加下さい。

 

 

 徒手検査表(PDFダウンロード

 

 

 上記を使用した症例を愛知地方会会員の内藤真次先生が(社)全日本鍼灸学会学術大会(千葉大会)に報告されました。


疼痛疾患班(頸肩腕痛編)

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 疼痛疾患班では臨床鍼灸の立場から、疼痛疾患に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に検討する目的で、種々のスケールをはじめ徒手検査法を使用して研究を行っています。

 前回まで2ヶ月にわたって疼痛疾患班の目的と学会での業績、腰痛と膝痛に対する取り組みについて述べさせて頂きました。今回は頸肩腕痛に対する疼痛疾患班の取り組みについてご紹介致します。

 

 頸肩腕痛に対しては以下の3つのスケールを使用して班員による症例集積を行っています。

 

1. VAS(Visual Analogue Scale)

2. 頚部神経根症治療成績判定基準(東北大学国分正一教授らによる判定基準)

3. (社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班健康チェック表

 

 頸肩腕痛に対しては、胸郭出口症候群をはじめ、頚部椎間板ヘルニア、頚髄症などがあり、これらを鑑別してゆく必要があります。特に頚髄症は診断と予後を把握し、患者により良い治療法を提示することができるようにしなければなりません。そこで、詳細な問診、経過を観察するためのスケールを使用し、徒手検査法を行う必要があります。疼痛疾患班ではその病態を把握する目的で徒手検査表を作成し、そのマニュアルにそって病態を把握してゆきます。徒手検査法は聞いてすぐできるというものではなく、患者に負担なくできるようになるには相当な訓練が必要です。疼痛疾患班では月1回の研究日に班員同志で徒手検査法の実技を行っています。

 平成15年度の愛知地方会の定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)では疼痛シリーズとして頸肩腕痛に対する基礎・臨床、診断と治療ということで6回にわたり頸肩腕痛に対する臨床鍼灸からみた頸肩腕痛のアプローチについて講演をさせて頂きました。その時に質問表等を徒手検査法の実技を含めて紹介致しましたが、その質問表等をここに紹介させて頂きます。臨床鍼灸において経過を観察し、効果判定を行い、患者に説明するのに便利だと思いますので、お役立て下さい。詳しい取り扱い説明に関しては疼痛疾患班研究日に行っていますので、是非ご参加下さい。

 

 

VAS・頚部神経根症治療成績判定基準:頸肩腕痛質問表(PDFダウンロード

 

VAS・頚部神経根症治療成績判定基準経過表(PDFダウンロード

 

徒手検査表(PDFダウンロード

 

 

 

 上記を使用した症例を愛知地方会会員の米山徹子先生が第23回(社)全日本鍼灸学会東海支部学術集会(静岡大会)に報告されました。


疼痛疾患班 2

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 疼痛疾患班は鍼灸院に訪れる患者のうちで多数を占める腰痛、膝痛、頸肩腕痛を中心に愛知地方会名誉会長の黒野保三先生のご指導のもと、研究を続けています。患者一人一人の病態の把握と予後を推察し、患者にあった治療法を選択し、適切な指導ができることを目的に月に1回研究日を設けて研究活動を行っています。

 これらの疾患に対する鍼治療の有効性を検討する目的で、各種のスケールと徒手検査を行っています。そのカルテについてはこちらをご覧下さい。

 

 腰痛に対する鍼治療の有効性を検討するために班員で症例を集積し、その成果を学会で発表させて頂いています。その詳細はこちらをご覧下さい。

 

 今回は第51回(社)全日本鍼灸学会学術大会(つくば大会:2002)で報告させて頂いた、「腰痛に対する鍼治療の検討 -JOAスコアとVASを使用した多施設での症例集積結果-」についての抄録と学会発表時のスライドを紹介致します。こちらをご覧下さい。

 

 腰痛に対する臨床鍼灸の現場では、その患者に鍼治療を行うことによりどの程度の治療回数が必要かの予後を説明して診療に当たらなければなりません。

 疼痛疾患班では診療の際に適切な指導ができるようなデータ作り、勉強会を開催していますので、是非ご参加下さい。

活動風景
活動風景

疼痛疾患班 3

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 腰痛、膝痛、頸肩腕痛を中心に愛知地方会名誉会長の黒野保三先生のご指導のもと、月1回研究日を設けて活動しています。

 

 臨床鍼灸医学の現場で大切なことは、患者一人一人に対して

1.正確な病態の把握と予後を推察できる

2.適切な治療法を選択できる

3.適切な指導ができる

ことです。

 

 そこで、研究日には疼痛疾患の最新の文献内容の紹介や、腰痛、膝痛、頸肩腕痛に対するスケールとなるカルテの記載方法と徒手検査法の実技を行っています。そのカルテについてはこちらをご覧下さい。

 

 腰痛、膝痛、頸肩腕痛に対する鍼治療の有効性を検討するために、班員で日頃の臨床現場での症例を集積し、その成果を学会で発表させて頂いています。その詳細はこちらをご覧下さい。

 

 今回は第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会(千葉大会:2004)で報告させて頂いた「腰痛に対する鍼治療の検討(3)-病態分類による鍼治療の効果-」についての抄録と学会発表時のスライドを紹介致します。

 病態を筋性とそれ以外に分類すると、鍼治療効果に差があること、罹病期間が短期と長期では鍼治療効果に差があることを班員の症例集積により明らかとなりました。詳細はこちらをご覧下さい。

 

 疼痛疾患班では診療の際に適切な指導ができるようなデータ作り、勉強会を開催していますので、是非ご参加下さい。


疼痛疾患班 4

 

疼痛疾患班 班長 河瀬美之

 

 疼痛疾患班は鍼灸院に訪れる患者のうちで多数を占める 疼痛疾患班は鍼灸院に訪れる患者のうちで多数を占める腰痛、膝痛、頸肩腕痛を中心に愛知地方会名誉会長の黒野保三先生のご指導のもと、月1回研究日を設けて活動しています。

 

 臨床鍼灸医学の現場で大切なことは、患者一人一人に対して

1.正確な病態の把握と予後を推察できる

2.適切な治療法を選択できる

3.適切な指導ができる

ことです。

 

 そこで、研究日には疼痛疾患の最新の文献内容の紹介や、腰痛、膝痛、頸肩腕痛に対するスケールとなるカルテの記載方法と徒手検査法の実技を行っています。

 今回、9月24日の研究班研究日より、腰痛と膝痛の評価(スケール)を変更して班員で症例集積を開始致しました。

 腰痛、膝痛、頸肩腕痛に対する鍼治療の有効性を検討するために、班員で日頃の臨床現場での症例を集積し、その成果を学会で発表させて頂いています。

 

 今回は第54回(社)全日本鍼灸学会学術大会(福岡大会:2005)で報告させて頂いた「腰痛に対する鍼治療の検討(4)-腰痛と不定愁訴カルテの関係について-」についての抄録と学会発表時のスライドを紹介致します。

 腰痛の罹病期間が短期より長期の方が不定愁訴指数が高い傾向にあり、不定愁訴指数が重症化するほど、腰痛が改善しにくい傾向にあったことから、慢性腰痛に対するアプローチとして、不定愁訴指数も視野に入れた検討が望まれることがわかりました。詳細はこちらをご覧下さい。

 

 疼痛疾患班では診療の際に適切な指導ができるようなデータ作り、勉強会を開催していますので、是非ご参加下さい。