会 長 挨 拶

名誉会長  皆川 宗德(みながわ むねのり)

 

 生体制御学会は、平成24年(2012年)3月15日付けで大村秀章愛知県知事より公益社団法人として認定を受けてから12年を迎え、また、前身の日本鍼灸学会愛知地方会が昭和47年(1972年)に設立されてから52年を迎えました。

 歴史を振り返りますと、高木健太郎先生(名古屋大学名誉教授、当時名古屋市立大学長)と黒野保三先生(当時の日本鍼灸学会常任理事)が中心となり、愛知地方会設立の翌年、昭和48年(1973年)、名古屋大学豊田講堂での第20回日本鍼灸学会学術総会に、戦後、わが国最初の中国鍼灸医師団を招聘し、日本鍼灸医学のシンポジウムを行ったのが大きな転機となりました。その後、全国各地で講演会・座談会や鍼灸医学交流が行われ、国内に鍼灸医学一大ブームが巻き起こったことは周知の通りであります。愛知地方会設立から50年という大きな節目にあたり、令和5年8月27日に、生体制御学会法人設立10周年記念大会を名古屋大学環境医学研究所共催で名古屋大学野依記念学術交流館にて盛会裡に開催することができました。感無量でございます。

 昭和47年、昭和48年が歴史の最初の1ページ、鍼灸医学に対する高木健太郎先生と黒野保三先生との師弟不二の情熱で築かれた偉業に対しまして衷心より深甚なる敬意と感謝を申し上げます。

 21世紀に求められる医療は、人間の生涯にわたって生活の質を高める包括的医療であり、それを担ってゆくのが近代医学と伝統医学を合わせた統合医学であるという認識が世界的に高まってきており、その伝統医学の中でもとりわけ鍼灸医学に対する期待には大きなものがあります。予防医学として人類に貢献してきた鍼灸医学が、健康維持・疾病予防・疾病改善・社会復帰まで幅広く応用できる医療として発展すべく、21世紀の医療を担うべく視点に立って、事業を継続してまいりたいと考えています。

 現在、厚生労働省では、国民が主体的に取り組める新たな国民健康づくり対策として「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本 21)」を展開していて、令和6年度からの次なる国民健康づくり運動である「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第3次))」を推進するため数値目標を掲げました。その中で十分な睡眠時間を確保できている人の割合を32年度に60%と、現状より約5ポイント増やすことを目指しています。

 愛知県では「健康長寿あいち」の実現に向けて疾病の発症予防及び重症化予防に重点を置き、令和6年度から「健康日本21あいち計画(第3次計画)」が推進されます。名古屋市では、すべての市民が健康で心豊かに生活できる社会をめざし、生活習慣の改善による生活習慣病の予防、健康寿命の延伸、生活の質の向上に向けて、令和6年度から「健康なごやプラン21(第3次)」が推進されます。今後、愛知県、名古屋市とも連携して、予防医学に重点をおいた活動をしてまいりたいと思います。

 生体制御学会の基本理念である「和を以て貴しと為す」を胸に秘め、明鏡止水の精神で、一歩一歩進めてまいりたいと思いますので、今後共、公益社団法人生体制御学会にご支援、ご鞭撻を賜りますことをお願い申し上げまして挨拶に代えさせて頂きます。


会長 山田 篤(やまだ あつし)

 

 このたび、公益社団法人生体制御学会令和6年度の定時社員総会におきまして、会長を拝命いたしました。会長として本学会発展のために務めさせていただきたいと思います。

 (公社)生体制御学会は、医学研究者や医師と鍼灸師が協力して鍼灸医学研究を行うこと、学術集会・講習会による学術の進歩発展と会員の資質向上によって社会に貢献するという目的のため、名誉会長の故黒野保三先生が昭和47年に設立された日本鍼灸学会愛知地方会が元になっています。

 平成21年、全日本鍼灸学会愛知地方会が行っていた事業を継承しながら、生体の制御機構に関する医学・医療を構築し、広く社会に啓蒙し公衆の保健福祉に寄与する目的で一般社団法人生体制御学会を経て、平成24年、大村愛知県知事より公益社団法人として認定を受け(公社)生体制御学会が認定されました。

 現在まで事業を継承できていることは、名誉会長の故黒野保三先生、前会長の皆川宗德名誉会長をはじめ先人の方々が脈々と受け継いできた偉大な業績によるものであり、感謝の念に堪えません。心より感謝を申し上げます。

 「生体制御」というキーワードはとても興味深いものです。私たちは知らず知らずのうちに生体を制御しながら日々生きていますし、鍼灸をはじめ医療や、健康と病気の中間的・連続的な概念である未病にも深く関わってきます。黒野保三先生の「鍼灸は医療である」との信念のもと、今後も先人の業績を紐解きながら、生体を制御し調整している機構について学び、研究・啓蒙活動し、「生体制御」という包括的な視点から皆様の保健医療に貢献できる学会にしたいと考えています。

 令和5年度は(公社)生体制御学会法人設立10周年を迎え、次の10年を見据えて令和6年度からは役員が大きく変わりました。若い世代の力と共に、幅広い分野・世代の方々と交流を深め、互いを理解し、協力し合い活動を展開することが今後の社会貢献に繋がると信じています。

 会員の皆様におかれましては平素より学会活動に多大なご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。今後とも役員一同、精一杯学会運営に努めて参ります。どうかよろしくご支援、ご指導を賜りますこと、切にお願い申し上げます。

 


名誉会長 故 黒野 保三(くろの やすぞう)

 

本会の前身である日本鍼灸学会愛知地方会は、昭和47年5月30日、名古屋市立大学高木健太郎学長、日本鍼灸学会黒野保三理事、名古屋市医師会吉田誠三会長等により設立準備委員会を開催し、名古屋市立大学第一生理学堀田健教授を会長にお迎えして、10月1日に名古屋市立大学医学部講堂において設立されました。

昭和48年4月28日・29日第20回日本鍼灸学会学術総会を愛知地方会担当で名古屋大学豊田講堂において、総会会長:名古屋市立大学高木健太郎学長により開催致しました。この学術総会に余田民団長以下6名の中国医師団を招聘し「鍼麻酔」と「痛みについて」の特別講演・シンポジウムを行ないました。

その後、5月18日までの20日間にわたり、東海地方・関西地方・関東地方において、中国医師団による「鍼麻酔について」の特別講演・シンポジウムが行なわれました。この事により、日本に「鍼麻酔」ブームが巻き起こったことは皆様周知のとおりでございます。 

発足以来40年の間、本会の発展にご尽力下さいました関係各位と歴代の役員並びに会員の皆様方のご支援ご協力により今日を迎えることができましたこと、この場をお借り致しまして厚くお礼申し上げます。誠にありがとうございました。

さて、この度の公益社団法人認可に際しましては、私の50年に亘る念願が実現されましたこと誠に感慨無量でございます。

それは、愛知県鍼灸マッサージ師会と中和医療専門学校が賛助会員となって頂きましたこと、相談役として愛知県鍼灸マッサージ師会山ノ下藤美雄会長、副会長として愛知県鍼灸マッサージ師会江口忍副会長、相談役として中和医療専門学校葛谷正理事長、副会長として中和医療専門学校右田一弘校長に役員としてご協力頂くことになりましたことであります。

このことは、愛知県の鍼灸界は、名実ともに行政団体・学術団体・教育団体が共通の場で合議できるという画期的発展につながるものと確信致します。

東洋医学には物理療法と化学療法の2つがあり、物理療法は機械刺激、熱刺激、圧刺激、触刺激、冷刺激、光刺激、磁気刺激、音刺激等であり、化学療法は、植物、動物、鉱物等薬理療法であります。このような二つの療法による生体の調整機構を制御する診療が東洋医学であると考えます。

従いまして本会では、生体の健康状態を保たせる研究と疾病を有する患者の治療効果の有効性の質的研究と、そのメカニズムと理論の量的研究を発表・考察し、それを論文として集積する事業を行ないます。

そして、東洋医学と西洋医学の集学的医療を行なう会員の資質向上を計る目的で、卒後教育としての定例講習会を行うことのできる団体として発展させていき、鍼灸界に貢献できるように努力致します。

本会に対しまして末永い温かいご支援ご鞭撻を賜りますことを念願致しましてご挨拶に代えさせて頂きます。